【書評】志高きファンタジーバトル漫画『蒼穹のアリアドネ』1巻発売。
バトル漫画でもアクション漫画でもストーリー漫画よりも冒険漫画である特殊さ
珍しい王道少年漫画
『エンジェル伝説』や『CLAYMORE』の八木教広が少年サンデーで連載中『蒼穹のアリアドネ』が発売されました。
その1巻を読んだのでご紹介します。
ちょっと唸る内容です。
あらすじはこんな感じです。
『エンジェル伝説』『CLAYMORE(クレイモア)』の八木教広 が新たに紡ぐ――皇女と騎士のジュブナイルファンタジー!!人里離れた地で暮らす少年ラシル。彼は『天空の飛行都市』という夢のような存在へ憧れを抱いていた。ある日、家近くの森で少女レアナと出会う。彼女は宙に浮く性質を持ち、機械兵集団に狙われていた。彼女はアリアドネ皇国の皇女だと言い、その国家こそ、天空の飛行都市であった…少年と少女が出会い、夢を追い求める冒険が始まる!未知なる世界を翔るジュブナイルファンタジー!!
一話はこちらから試し読みできます。
漫画版ラピュタです
八木先生と言えば『エンジェル伝説』で顔が怖いが心優しい男が誤解されるギャグ漫画。
もしくは『クレイモア』で美少女が大剣を持ってモンスターを肉片にしていくアクション。
CLAYMORE【期間限定無料】 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 八木教広
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/04/17
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
ジャンプ系列でありながら王道少年漫画に一番向かないタイプの作家です。
ところが『蒼穹のアリアドネ』は今連載中のジャンプ作品よりはるかに王道少年漫画しています。
まず絵柄を今までの宗教画風からきっちり少年漫画風に変えてきています。
中世ファンタジー風ですがロボのような高度なテクノロジーも混在しています。
『FF6』みたいな世界観といいましょうか。
というか絵柄がゲームの『オウガバトル』や『FFタクティクス』の皆川テイストを彷彿とさせます。
とんだオッサンホイホイです。
そしてジブリの『天空の城ラピュタ』をイメージさせます。
雑に魅力を伝えるならパズーがドラゴンボールの戦闘力を持っていると思ってください。
ドラゴンボールの空中戦
『ドラゴンボール』のエネルギー弾が乱舞し使って空中・地上戦を行う戦闘には皆さま胸を熱くしたかと思います。
そしてあんまりフォロワーが表れなかった表現でもあります。
大多数がビーム表現の方を主軸に添えてしまったためです。
『蒼穹のアリアドネ』はヒロインが空中都市の出身で重いブーツを身につけていないと空に浮かび上がってしまいます。
主人公の少年は手足につけたアイテムで空も飛ぶことができます。
敵も空中都市からお姫様奪還の為にやってきたので空中戦が展開されます。
1巻では空中戦は控えめでしたが今後のアクションに期待が持てます。
空を自由に飛びたいというのは普遍的な欲求ですが最近あまり注目されないジャンルですね。
アメコミだと空を飛べるキャラはそれだけで強キャラ扱いなのですが。
爽やかな読み味
主人公は光子を操る生物兵器でヒロインは政略結婚から逃亡中。
しかし主人公は気に病んでいませんしヒロインに悲壮感はありません。
2人の目的は「広い世界を見ること」。
海賊王やら火影などの何者になるかではありません。
復讐やら父親に会う事でもありません。
ただ目的なく日常を過ごすことでもない。
最近の少年漫画は教科書的に「はじめに主人公の目的を提示しよう」となっています。
そもそも目的は後付けてでいいわけです。
ドキドキする冒険が繰り広げられれば。
これになるほどと唸りました。
また主人公の武器は徒手格闘とビームです。
1巻の終盤で多数の暴力的な武器を使わないと捨ててしまいます。
序盤の敵はロボ的なもので欠損・出血表現ではなく破片を飛び散らすことで派手さを出しています。
ライバル的な人間キャラは出てきましたが過度な暴力描写は出てこない作品です。
アクション表現は『クレイモア』でも定評があります。
日本の漫画の特殊性はシリアスな漫画でもギャグを挟んでくることです。
緊迫しがちなストーリーに緩急をつける為ですね。
そして『エンジェル伝説』でのギャグセンスも健在でした。
これブレイクするの?
問題は今のサンデー読者に子供っているの?ということ。
だって主力が萌え漫画みたいになって藤田先生が『双亡亭~』で孤軍奮闘しているイメージです。
まぁアニメ&ゲーム業界の方は読んでみると良いと思います。
ドラゴンボールのシステムを丸々流用してアクションシーンが作れますよ。
それ以外の方でも「最近の少年漫画ってオタクくさいな」と思った方にもお勧めできます。
王道少年漫画ってある意味ターゲットの絞れていない商品です。
産業が成熟するとターゲットを広く設定するのは難しくなります。
しかし長くコア向け漫画を描いてきた作家が計算していながら、そうとは見せない読み味を実現してその問題に立ち向かっています。
そうコア向け漫画ばかりになると先細る一方です。
作家の意向か編集の指示かわかりませんがその志は素晴らしい。
これは是非応援したい漫画です。
皆さま買いましょう。
※kindle版は4/27発売予定。
梟茶房案内所
ブログ関連
↓このアイコンを押すと読者になります
↓最初に読むべき記事
↓カテゴリーまとめ
- 基礎 その他 ブログ 女性向け ビジネス
- 漫画 ジョジョ 少年ジャンプ
- 服装 ジャケット シャツ パンツ ベルト 腕時計 靴 小物 コート マフラー ニット 帽子
- 食
- 片付け 風呂
- まとめ 便利グッズ アプリ
- ※最初の記事から順番に読む⇒はじめに
↓お問い合わせはこちらまで
メールフォーム
有料応援
↓この記事が面白かったらアマゾンギフト券を購入して梟茶房を応援しよう
↓「note」というサイトにも記事あります
◆世界一簡単な財布の選び方 100円。あなたの財布大丈夫?
◆世界一簡単なスーツの教科書 500円。スーツに隠しルールあり
電子書籍のおすすめはkindle1択。持ち物を減らすべし - 梟茶房(ふくろうさぼう)
↓ここから楽天かamazonでお買い物をすると梟茶房が潤います