梟茶房(ふくろうさぼう)

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【書評】時代が選ばなかった天才少女漫画家・筑波さくら2

少女漫画ろびこの漫画に筑波さくら再起のヒントがありました。

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[人物紹介 ●:(メン)フクロウ博士 ○:ミミズク]

 

〇はいはいじゃはじまりますよ
●明らかにテンションが低い
〇クリスマスに少女漫画の話って空気の読めなさにドン引きですよ。
 前回はこちらからどうぞ

 

 

――――――――――――――――――――――
ろびこ』とは何者か?

 

その前に王道少女漫画とは何かについて説明が要ります。

 

これです。

僕等がいた 1 (フラワーコミックス)

僕等がいた 1 (フラワーコミックス)

 

 

大ヒットした『君に届け』はヒロインがコミュ障という特徴があり明らかに企画意図がわかります。
つまりアイデア商品です。

 

 

小畑友紀の『僕等がいた』はアニメ・実写化もしたので覚えている人は多いと思います。
それで話はというと普通の少女がイケメンと付き合う学園ラブコメです。

 

普通!って思ったと思います。
王道とはそういうものです。
そして『僕らがいた』の非凡な点はそれでも面白い点です。
同じフォーマットでヒットした漫画は多いですが明らかにレベルが違います。

 

イデアや工夫とは弱者が使うものです。
真の王者はそんなものを使いません。

 

小畑友紀は野球で例えると時速170kmのストレートが投げられる投手です。
努力でどうこうできる前に生まれた体格で勝負が決まっています。

 

それでようやく『ろびこ』先生の説明に入ります。

 『となりの怪物くん』はアニメ化もしたのでこちらも覚えている人はいるでしょう。

 

内容は少女がイケメンと付き合う学園ラブコメです。
しかし特異なのがヒーローとヒロイン両方が変人なのです。
普通はどちらかが常識人でバランスを取ります。
そして新しく登場するキャラがみんな変人ばかり。
それで物語は破たんさせずラブコメとしてもキッチリ面白いのです。
そして中だるみすることなく完結させました。
最近の漫画は人気になると延命措置を施すケースが多い中素晴らしい潔さ。

 

ろびこ』を野球で例えると究極の変化球投手です。
シンカーやカーブなど多彩な変化球を使い時速140kmはマークしている。

 

そんな『ろびこ』の最新作が『僕と君の大切な話』です。

内容はまたしてもボーイミーツガールの学園ものです。
変わらずヒロインとヒーローは変人で周りの人間も変人です。
しかし話題の着眼点が素晴らしい。
「少女漫画ってなんで恋愛ばっかりなの?」
「女の言うやさしい男が好きって?」
「共感って何?」
こういう質問に男の僕でも納得できる答えを載せています。
ネット上にはいない真の賢者が少女漫画界にいました。

 

ここに至って究極の変化球投手は魔球を習得しました。
もはやどんなバッターも打てません。

 

この作者は何を考えてこんな漫画を描いているのか?
その答えの一端が『僕と君の大切な話』3巻の1コマです。

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胆力って!
少女漫画で胆力とかいう単語はじめて見たわ!

 

ちなみにこのメガネの男が主人公です。
少女漫画を読んでそのヒロインが実の弟まで巻き込んで逆ハーレムを形成した点を評価しています。
逆ハーレムが売れ線だから話の破たんを恐れず片っ端から逆ハーレムにした点を「胆力」と表現しています。

 

登場人物が変人ばかりの王道少女漫画という特殊なフォーマットはこの「胆力」でできたのですね。
普通だったら絶対編集とか周りの人間が止めます。

 

それで「胆力」という点でふと思い出した話があります。

 

歴史に残る傑作『デビルマン』。
この連載時の永井豪を描いたのが『激マン!』です。

激マン! 1 (ニチブンコミックス)

激マン! 1 (ニチブンコミックス)

 

 この漫画で永井豪は来週の展開を考えません。
今週を面白くすることだけにエネルギーを注ぎます。
自分が予想できる話は読者も予想して驚きがないからと語ります。
今の漫画に読みなれてると傑作ですが『デビルマン』は構成がガタガタに見えます。
当たり前です。
構成など考えていないのだから。
しかも意図的に考えていないのだから。
でも圧倒的に面白いです。

 

余談ですが最近完結した久正人の『エリア51』という作品も最終巻でこの手法を使っていると告白していました。

エリア51 1巻 (バンチコミックス)

エリア51 1巻 (バンチコミックス)

 

 ところが読んでいる最中は伏線がきちんと回収されて構成力の高い作家だなとか思っていました。
こちらもお勧めです。

 

少年漫画の作者が先のことを考えているのかという問題を考えてみましょう。
北斗の拳』の武論尊はシンを倒すところまでしか考えていないのに連載し南斗が分派したことになりました。
ドラゴンボール』が先の展開を考えていないのは有名です。
ジョジョ』もいつも解決法が凄いですが毎週なんとかしているとインタビューで答えていました。
『ナルト』は中忍になってから属性の話を入れてきましたし『ブリーチ』は言わずもがな。

 

もちろん『ワンピース』みたいに先々まで考えている漫画は素晴らしいです。
しかしいい漫画とは構成力ではないのです。

 

大ヒットする漫画に必要なのはこの『胆力』ではないのか?

 

『胆力』すなわち『覚悟』とも言い換えれます。

 

普通はやらないような思い切りの良さ。
これが読者に驚きを与える。

 

世の中に面白い漫画もつまらない漫画もたくさんあります。
しかし『凄い漫画』は一握りです。
そして『凄い漫画』とは驚異に満ちています。

 

『覚悟』とは要は分の悪いギャンブルです。
それを恐れず踏み出した時、他の人間に『驚異』を与えます。
これはあらゆる商品・仕事に共通しています。

 

それでようやく不遇の天才少女漫画家・筑波さくらの話に戻します。

 

筑波さくらの漫画は改善する場所を考えるのが難しいくらい完成度が高いです。

 

しかし完成度故に小さくまとまっているのかもしれない。
もし次回作で思い切った『胆力』を発揮した場合はこの完成度が下がるはずです。
今まで鍛えて築いてきたものを捨て去るのはさぞや苦痛でしょう。

 

でも絶対にやるべきです。
このままだと筑波さくらは優秀な漫画家として静かに消えていくのは間違いありません。


もったいなさすぎる。

 

「えっ筑波さくらがこんな漫画を!?」
もし次回作がこんな感想なら筑波さくらは大ヒット作家になるでしょう。
『柔らかな指先』は傑作ですが正当進化形です。

 

それを応援する意味でもこの記事を読んだ人は筑波さくら作品を買いましょう。
まずは『ペンギン革命』全7巻から。
押忍!

ペンギン革命 1 (花とゆめコミックス)
 

 


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●というわけで梟茶房も「胆力」を発揮して男性向けサイトなのにクリスマスに少女漫画という内容にした
〇胆力と蛮勇をはき違えてません?
●つまり「男らしさ」とは「胆力(覚悟)」だと思うんだ。
 じゃぁ「男らしさ」を持った男がどれくらいいるかというとね。
 仕事とかでこんなギャンブルみたいな勝負を挑める人間がどれくらいいる?
 大体はみんなの意見を聞いて無難なところに落ち着けてしまうんじゃないかな。
 周りの目を気にして少女漫画も読めないんじゃないかな?
〇おっと矛先がこっちに向いた
●これは物事の選択をする時に読者に考えて欲しいことでもある。
 梟茶房で今紹介している服装についても基礎は普通なスタイルを推奨している。
 大多数はこのままで人生最期まで良いと思っている。
 服装で「覚悟」を見せるのじゃなく勝負所で「胆力」を見せる。
 その場面にたどり着く手段として余計なものに煩われないよう衣食住を整えておく。
 うちのサイトはそういう使い方をしてほしい。
〇博士がいいことを言っている!?
●そして成功した暁にはウチのサイトに周りの人間を引っ張ってほしい。
 「俺は変われた。創価学会で変われた」のネタ漫画みたいに。
〇いつもの博士だわ

 

 

目隠しの国 1 (白泉社文庫)

目隠しの国 1 (白泉社文庫)

 

 ●筑波さくらの初連載。
 その圧倒的な才能に驚愕するがいい。
〇僕でも楽しめますか
●バカじゃなければ楽しめます
〇そういう排他的な姿勢が男らしいわけじゃありませんよ
●そして最近『AneLaLa』休刊を知った。
 しばらく目を離した隙に。
 こんなのって。
 ううう…
〇泣くな!
 女々しい!!

 

 

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