【書評】ジブリ映画化?『漫画版 君たちはどう生きるか』
宮崎駿監督の次回作の元ネタ?漫画版を買ったのでレビューします。
※画像はネタツイートをTV局が放送したものなので信じないでください
[人物紹介 ●:(メン)フクロウ博士 ○:ミミズク]
〇これが次回のジブリ映画ですか
●正式発表されているわけじゃないけどタイトル同じだし多分。
ちなみに漫画版はかなり批判的なレビューになっている。
このサイトではつまらない漫画は紹介しないことにしているので買わなくていいです。
一応リンクは張っておくけど。
〇amazonレビューとnoteにも寄稿したんですよね。
●したけど表示されるかな。
大川隆法の本にamazonレビューしたら認可されなかったから。
〇茶化すからでしょ
●あとこのレビューも消された
〇まじめに書いたら
●そうしたら今回みたいに笑いどころがなくなる
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【概要】
人間としてあるべき姿を求め続けるコペル君とおじさんの物語。
出版後80年経った今も輝き続ける歴史的名著が、初のマンガ化!
【あらすじ】
1937年の東京を舞台にひとりの中学生と叔父との触れ合い描く。
この叔父は元出版社の人間で部屋には大量の蔵書があり中学生の主人公は頼りにしている。
学校で起こる問題を叔父と相談し知恵で解決していくことになる。
【感想】
ジブリの宮崎駿監督の次回作との噂を聴き手に取ってみました。
原作は未読で存在すら知りませんでした。
前情報なしの感想になります。
この漫画のアマゾンレビュー65人中☆5が42人。
圧倒的高評価。
レビュー内容も子供たちに読ませたいが多数。
危うい。
皆さん、自分が子供の時を思い出してください。
親や教師が推薦してくる本って面白かったですか?
なるほど本書の内容自体は否定しません。
考えることの大事さや仲間を思いやる気持ちなどは大切でしょう。
でもそれをこの漫画で伝える意義ってありますか。
だってこの本は漫画として面白くないです。
名作の価値観は得てして多数のコピーを生みスタンダードの一つになり下がります。
現代でここに書かれていることは普遍的すぎます。
古典の名作コミカライズがダメだということではありません。
例えばユーゴーの『あぁ無情(レ・ミゼラブル)』は近年、新井隆広によって全8巻の漫画になりました。
LES MISERABLES 1 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)
- 作者: 新井隆広
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/12/12
- メディア: コミック
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死ぬほど長い原作で面白いですが子供には確かに勧めにくいので漫画版を勧めます。
漫画版は原作には忠実ですが表情による心理描写や演出で傑作へと昇華しています。
原作が古かったり時代背景が違っても生き残れるのが名作です。
その為に安易に漫画化するのではなくきちんと現代性をもって表現媒体の違いを認識しアップデートする。
作者にその情熱がないとコミカライズはつまらないです。
『あぁ無情』くらいになると単巻漫画、アニメ、映画、ドラマ、ミュージカルと選択肢が多数です。
本書はこの漫画か原作しか選択肢がありません。
この漫画がつまらないのはただの結果で別に非難する気はありません。
一読者として同じ作者でも駄作と傑作は紙一重なことも承知しています。
問題はこの漫画を子供に勧める人間です。
そこに「子供でも漫画なら読めるだろ」という安易さが透けています。
それこそが無理解と不寛容です。
地動説を聖書に書いてあるからと認めなかった教会と同じ権威主義です。
この本がたしなめている部分だと思うのですが。
子供は面白さにシビアです。
彼らの周りには子供向けに練り込まれた漫画やゲームが多数あるわけです。
それらを超えるほど本書はおもしろいでしょうか?
最近の漫画を読んでいたら本書に☆5は与えないはずです。
今の子供たちが喜んでいる漫画と見比べてください。
まず絵柄は古臭いです。
フォントが同じようなものばかりで強調表現など使い分けられていません。
文章を見開きで丸々載せるの何ページも続く。
展開が平易でクライマックスのいじめの下りも謝ったら許されたくらいでカタルシスに乏しい。
本書で論じられている内容はこんなところです。
・世界に中心などなく分子のように多数の人間で構成される
・貧乏でも子供の時から生産者として生きる偉大さとそうでない人間は準備する必要性
・ニュートンのようにリンゴの木を伸ばし続けて答えに至る思考の大事さ
・ナポレオンの20年で頂点からどん底まで味わうバイタリティ
大事なことは内容であり伝えるために表現を変えてもいいのでは?
それなら子供たちになじみ深い現代を舞台にすればいいし絵は現代風にすればいい。
内容を伝える部分を残してより魅力的なキャラクターが波のある展開にしても良かったわけです。
カッコいい決め台詞や魅力的なキャラクターやユーモアがあってもいいのです。
手に取って喜んでもらえなければテーマは伝わりません。
原作が面白いから漫画版も☆5になるわけではないです。
その理屈なら映画版『デビルマン』も☆5です。
あなたが子供に勧める漫画を子供は断れません。
そして感想を求められたら「つまらなかった」「わからなかった」など賢い子なら言わないでしょう。
それは子供たちの貴重な時間を無駄にしてしまうことになります。
それならばあなたが今の子供でも楽しめて役立つ漫画を探してください。
自分の子供も人間です。
人に勧めるなら勉強するべきです。
この本を安易に渡すなら客を見ない商売人に等しいと恥じるべきです。
原作が素晴らしいなら漫画でごまかさず原作を渡しましょう。
もちろん事前にこういう部分が良いと無理強いしない形で。
最後に原作者から「君たちはどう生きるか」という問いかけがありました。
少なくとも子供を悲しませないように生きたいです。
【まとめ】
主題がかなり教育寄りで子供に拒否感を抱かせる。
現代においては数ある娯楽の中で本書を選ぶ意味が希薄。
また漫画としてのレベルがお世辞にも高くない。
ジブリの宮崎駿監督が映画化したとして子供受けするかは疑問。
子供向けのポニョもテーマやストーリーではなく歌とキャラで受けた部分が大きい。
年齢的に今度こそ本当に引退になる可能性は高い。
しかしこのまま誰も口を挟めない監督という立ち位置をキープして映画化すれば結果が読めなくて面白い。
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〇博士的に映画版はコケる感じですか?
●宮崎駿が監督するならわからない。
『ポニョ』だって話的には無茶苦茶だったけど圧倒的なアニメーション技術で最後まで楽しめたし。
〇ちなみに博士が子供たちに勧めるなら何の漫画にするんですか?
●ジブリつながりでこれ
〇表紙から子供向けじゃない感じがヒシヒシと…
●2巻でジブリの話が出てくる。
表紙の女性は木根さんと言って映画オタクで会社ではそれを隠している。
映画マニアと世間の乖離を描いた傑作コメディだよ。
2巻では部下たちに「ジブリを見たことがない」と知られつるし上げを食らうんだ。
そこで何を見たいかと聞かれ無知な振りして「ゲド戦記」と答える人と言えば伝わるか。
映画好きならあるある的に楽しめる。
〇子供に何を伝えるつもりですか
●大人は一見立派に見えても歳を取った子供なんだよと。
だからしょうもない大人も許してあげる度量を持ちなさいと。
〇それ子供に教えることですか
●じゃジョージ秋山先生の『アシュラ』で良いよ!
〇酷い…
↓2018/01/02子供にお勧めできる役立ち漫画もあります
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